Throw the Iron Ball

とある国のとある町での出来事。

僕は彼女と旅行に来ていた。

彼女の名は聡美。

その聡美と僕は一緒に通りを歩いていた。

そこに一組のカップルが近付いて来る。

そして男の方が陽気に英語で声をかけてきた。

「How do you feel?」

「It’s good!」

彼の陽気さに合わせる様、僕も陽気に応えたつもり。

しかし彼はまだ不満だったらしい。

「That’s not enough yet!」

続けて言う。

「Come on about us!」

本来はそんな簡単についていったりはすべきでないのかもしれない。

しかし、この時の僕は何の疑いもせず、言われるがままに聡美を連れて、ついていってしまった。

そして男はとある店に着くと、店の前で店員と話を始める。

中々、話が終わらない。

見兼ねたのか、女の方が地面に落ちていた金属製の箱の様なものを頭上に持ち上げて、店員の前へと向かった。

そんな彼女に畏れをなしたのか、店員は二人を中へと通す。

それを見て、僕も聡美を連れて店員のところへ行った。

当然なのかもしれないが、料金を請求される。

先に入った二人は料金の事で揉めていたのだろうか。

僕は揉めるのは嫌だし、そんなにお金に困っている訳でもなかったので、素直に払う事にした。

そして僕と聡美も店の中へと通される。

店の中に入ると、そこにはボウリングのレーンの様なものが幾つもあった。

先に入っていた二人はそれぞれのレーンでボールの様なものをレーンの先に向かって投げている。

ものすごく重そうな音だ。

そのボールはどうやら鉄球の様である。

そう。

競技で言うならば、砲丸投げをしていたのだ。

そして僕と聡美もそれぞれのレーンに案内される。

そこには鉄球が幾つか用意してあった。

レーンに着いた僕と聡美も見様見真似で砲丸投げを始める。

幾つかあった鉄球を投げ終えると、自分で取りに行く様だ。

そして、また所定の位置に戻って来て鉄球を投げる。

それを、ただただ繰り返す。

どれくらいの時間が過ぎただろうか。

僕と聡美、そして僕等を此処へ連れてきたカップルの四人は何とも無しに砲丸投げを止めて店を出る。

店を出るとカップルが言い争いを始めた。

そして女の方がその場を離れていってしまう。

男の方はその場でうなだれている。

先程まで、あんなにも陽気だったのに。

僕と聡美はそんな彼を見て、彼を慰める。

そして僕は夢から醒めた。

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